御座を語る人たちシリーズ(木俣修)


国文学者として昭和女子大学等で授業。文学博士。
1981年に「雪前雷後」で現代短歌大賞受賞。
下記作品は志摩巡遊の中より詠む。
「志摩町史」に一部転載されている。
    


○この浦にゆきかふ舟の艪をこぐは
    あわれあわれみなをみなごにして

○志摩の岬御座の水中にたちたまふ
    石の佛にけふあいまつる
                      
 (この歌を刻んだ句碑が石仏の鳥居横にたっている。)

○縁もちて潮佛にぬかずけば
    旅のあはれも極まらむとす

○石佛をめぐりて揺ぐ夏潮に
    稚き魚も舞ひてあそべる

○海中に石の地蔵にてめにけむ
    海女の悲願のしみておもはゆ

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